Microsoftの無料セキュリティサービス、6月23日にβ版リリース

Microsoftの無料セキュリティサービス、6月23日にβ版リリース

Microsoftの無料セキュリティサービス「Microsoft Security Essentials」は、Symantecなどが提供するローエンド製品と同等の機能と品質を備えるという。

Microsoftは来週、無料のPCセキュリティサービスを立ち上げる。年間数十億ドルを売り上げているウイルス対策企業にとって、これまでで最大の挑戦になるかもしれない。

 このサービス「Microsoft Security Essentials」を内覧した業界アナリストは、機能や品質はSymantecMcAfee、Trend Micoが年額40ドルで提供しているウイルス対策製品と同等だと話している。

 「消費者にとってはいいニュースで、ライバルにとっては悪いニュースだ」とEndpoint Technologies AssociatesのPC業界アナリスト、ロジャー・ケイ氏は語る。

 Microsoft Security Essentialsはウイルス、スパイウェアトロイの木馬rootkitなど数種類の不正ソフトからPCを守る。マルウェアとして登録されていないが不審なファイルを検出すると、Microsoftに通報して詳しい調査を要求する。

 セキュリティ企業はMicrosoftの脅威を低く評価してきた。SymantecMcAfeeの幹部は、Microsoftのサービスは、両社が売れ筋セキュリティスイートで提供しているフル防御の軽量版でしかないと片付けていた。

 Microsoftのサービスは不正ソフトに対する防御のみを提供する。競合企業が提供する売れ筋製品は、暗号化やファイアウォール、データバックアップ、ペアレンタルコントロールなどの機能も搭載している。

 セキュリティ業界の動向を追うEnderle Groupのアナリスト、ロブ・エンダール氏は、消費者はそうした多用な機能をすべて必要としているわけではないと指摘する。

 「『十分間に合う』レベルの製品が無料であれば、お金を払う理由を付けられるだろうか?」

 Microsoftは6月18日、Security Essentialsのβ版を23日からダウンロード提供すると明らかにした。同社は今秋に正式版をリリースする予定だ。

 同サービスの前に、Microsoftは「Live OneCare」というセキュリティスイートを販売しようとして失敗している。Microsoftは3年前に立ち上げた同製品を、11月に販売終了すると発表した。