韓国主要サイトに同時大規模攻撃 サイバーテロか

韓国主要サイトに同時大規模攻撃 サイバーテロ

韓国で青瓦台や大手銀行、NAVERなどが同時に大規模なDDoS攻撃を受け、4時間以上にわたって接続不能になる事件が起きた。北朝鮮や中国国内からの攻撃の可能性もあるとして、当局が調査。
韓国で7日夜、青瓦台(大統領府)や国防省を含む政府機関、大手銀行や民間主要ポータルサイト、大手紙などのウェブサイトが大規模なハッカー攻撃を受け、4時間以上にわたって接続不能となる事件があり、韓国捜査当局は同時多発サイバーテロの疑いがあるとして8日、本格的な調査に着手した。一部のサイトでは、8日午前も障害が続いている。

 韓国捜査当局者によると、攻撃は北朝鮮や中国国内からの可能性があり、韓国警察庁サイバーテロ対応センターのほか、対テロ機関である国家情報院の担当部門も調査している。

 韓国メディアによると、同国内の主要サイトに対する同時多発のハッカー攻撃は初めてという。

 捜査当局によると被害は、7日午後6時半ごろ、主要ポータルサイト「ネイバー」で、アクセスに極端な時間がかかるなどの障害が出始めたことが確認され、次第に大統領府や国防省、外交通商省、国会などの国家機能中枢、大手紙「朝鮮日報」の電子版サイトなどでも障害が発生、11サイトで被害が確認された。

 攻撃はそれぞれのサイトに、一気に膨大なアクセスがあったかのように誤認識させてサーバーの処理能力を超過させる手口という。捜査当局によるこれまでの調査では、情報の流出や、政府機関内部のデータベースへの不正侵入などの深刻な被害は出ていない。こうしたことから、捜査当局では攻撃の目的について「ウイルスの効果を調べる目的や、韓国政府機関などのサイバーテロ対策の水準を調査する目的があったのではないか」との見方も出ている。

 また、韓国での被害よりも先、米ホワイトハウス国防総省国務省などの政府中枢のサイトに対し、サイバー攻撃が試みられた痕跡があることが分かり、韓国は、同国内から米国のサイトへの接続を停止する措置を取った。

 韓国警察当局は、北朝鮮や中国からのサイバー攻撃の可能性も視野に入れて捜査。ソウル市内の民家から「ティドス」とよばれるウイルスに攻撃されたパソコンを回収し、被害状況の分析を進めている。