「偽ウイルスを生成して検出」――自作自演の偽ソフト現る

「偽ウイルスを生成して検出」――自作自演の偽ソフト現る
英ソフォスが警告、GUIを備えて「本物」を装う

セキュリティ企業の英ソフォスは2009年9月6日、新たなタイプの「偽ソフト」が確認されたとして注意を呼びかけた。実行されると無害なファイルを複数生成し、それらをウイルス(悪質なプログラム)として検出。駆除するには有料版を購入する必要があると“脅迫”する。

 ここでの「偽ソフト」とは、大した機能を持たないにもかかわらず、セキュリティ対策などの機能を備えているとかたられて配布されるソフトのこと。インストールすると、パソコンに問題がないにもかかわらず、「ウイルスが見つかった」などと偽の警告を表示。問題を解消したければ、有料版を購入する必要があるとして販売サイトにユーザーを誘導し、クレジットカード番号などを入力させようとする。

 従来の偽ソフトが表示する偽警告では、実際には存在しないファイルや、既存の無害のファイルが「ウイルス感染ファイル」としてリストアップされる。ところが、今回報告された偽ソフトは、ファイル名や拡張子などがランダムなファイルを複数作成。それらをウイルスとして検出し、ユーザーに駆除を促す。

 実際には、生成されるファイルは「偽ウイルス」。無意味なデータが含まれる、無害の「ゴミファイル(junk files)」だという。

 加えて、従来の偽ソフトと同様に、有料版の購入を促すポップアップウインドウを定期的に表示して、ユーザーをいらいらさせる。また、今回の偽ソフトはグラフィカルなユーザーインタフェース。