好奇心によるグーグル検索は偽ウイルス対策ソフト/マルウエアの罠

Webサイトで記事を読んだとき,その中で使われていて詳細を知りたくなった言葉,好奇心をかき立てられた言葉を,グーグル検索した経験があるだろうか。

多くの人は検索したことがあるだろうし,よくある話だと思う。マルウエアを流布している連中もこのことに気付いている。具体的な例として,巨額詐欺の罪で起訴されている元NASDAQ会長のBernard Madoff氏がRybovich製1969年型55フィート・ヨットに言及した,というニュース記事を紹介しよう(関連記事:巨額詐欺の元NASDAQ会長,最大150年の禁固刑の可能性)。

筆者はさぞかし贅沢なヨットだろうと考えた。同じようにどんなものか見てやろうとした人は,すぐに「1969 Rybovich」というフレーズで検索しただろう。検索したくらいで危険な目に遭うことはないと考える人がいるかもしれない。

ただ,よく考え直してみてほしい。実際に検索してみると,既にマルウエアの流布を狙う連中はこのヨットを攻撃手段として採用しており,グーグルの検索結果上位に攻撃用のURLが並んでいることが分かる。我々がこの現象に気付いたのは,問題の記事を初めて読んで興味を持った2009年4月1日(米国時間)の夜であり,何よりも先に「なんて素早い対応だ」と驚いた。

その後,検索結果に表示されるマルウエア配布サイト数の増えていく様子を4月2日にかけて監視した。最後に確認したときには,my.barackobama.comに掲載されていたブログ記事までもが,このヨットを餌にユーザーをだまそうとしていた。

「1969 Rybovich」のグーグル検索結果

検索結果そのものは危なくないようだが,上位にあるURLをいくつかクリックすると違う印象を持つことになる。これらのURLは,いずれもマルウエア配布を行う偽ウイルス対策ソフトにつながっている。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20090511/329756/