三菱UFJ証券の元部長代理を逮捕 5万人分の顧客情報売却

三菱UFJ証券の元部長代理を逮捕 5万人分の顧客情報売却

三菱UFJ証券の元社員が約148万人分の顧客情報を引き出し、約5万人分を名簿業者に売却していた問題で、警視庁が同社元部長代理を逮捕した。

三菱UFJ証券(東京都千代田区)の元社員が約148万人分の顧客情報を引き出し、約5万人分を名簿業者に売却していた問題で、警視庁は25日、不正アクセス禁止法違反と窃盗の疑いで、同社の元部長代理、久保英明容疑者(44)=千葉市緑区=を逮捕した。

 警視庁ハイテク犯罪対策総合センターなどの調べによると、久保容疑者は今年1月、顧客の氏名や住所、携帯電話の番号や年収などの個人情報が保存されたデータベースに、別の社員のIDを使って不正にアクセスした疑いが持たれている。

 同社によると、久保容疑者はデータベースから顧客情報をCDにコピー。自宅に持ち帰り、約5万人分を名簿業者3社に32万8000円で売却した。久保容疑者はデータベースにアクセスできる社員約300人の指導役で、各社員が自分のIDを使ってアクセスした顧客情報に触れることができる立場にいた。

 3月中旬以降、同社には「業者から勧誘が来るようになった」などの問い合わせがあり、情報流出が発覚。内部調査で久保容疑者が売却していたことが分かった。名簿の流出は、同社が確認できただけでも77社に拡大。顧客の自宅などには、不動産や金融商品の取り扱い業者などから勧誘電話が頻繁にかかっていた。